【電子帳簿保存法.2】インボイス制度との関係

※この記事は、2024年1月時点の情報です。最新情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

前記事の、【電子帳簿保存法.1】私たちが対応すべきことは?では、消費税の免税事業者の方に向けて、電子帳簿保存法の内容を紹介しました。

課税事業者の方は、インボイス制度に電子帳簿保存法が絡み、混乱されているのではないでしょうか。この2つの制度自体は別物であり、「インボイス制度」は消費税に関する新制度、「電子帳簿保存法」は所得税や法人税など国税に関する法律です。ただし課税事業者の方は、領収書に関して言うと、必要な記載項目がこれまでとは異なります。

免税事業者と課税事業者の違い

免税事業者の方

所得税法では、領収書に関する具体的な要件は定められておらず、取引を証明する書類であれば、領収書と同じ効力を持ちます。一般的には、日付・宛名・金額・但書き(支払内容)・支払先が記載されます。電子取引の場合は、これをデータで保存しておきましょう。
宛名、支払内容は、記載が必須ではありませんが、もし税務調査があった場合は、税務署に疑われる可能性がありますので、記載があったほうが良いです。

課税事業者(適格請求書発行事業者)の方

一方課税事業者の場合は、取引を証明すると同時に、適格請求書(または領収書など)として認められるための記載事項がある取引を証明する書類を、データで保存します。
この項目が欠けていると、仕入税額控除を受けることができないため、所得税を計算するための経費としては問題なくても、消費税を多く納めることになってしまいます。

※消費税を算出する際に課税売上の消費税額から課税仕入れの消費税額を差し引くことができる。

適格請求書(または領収書など)に必要な記載項目

  1. 発行者の氏名または名称
  2. 取引年月日
  3. 取引内容
  4. 取引金額
  5. 請求書受領者の氏名又は名称
  6. 消費税額・消費税率
  7. 適格請求書発行事業者の登録番号

インボイス制度に関しては、こちらの記事でも紹介していますので、参考にしてください。
【インボイス制度】カラーアナリストやイメコンへの影響は?

ただインボイス制度には特例があり、上記の適格請求書(または領収書など)の保存が不要になります。

インボイス制度の特例

少額特例=適格請求書(または領収書など)の保存がなくても良い

インボイス制度では、特定期間(個⼈事業者は前年1〜6⽉までの期間)における課税売上高が5千万円以下の事業者は少額特例が認められています。

2029年9⽉30⽇までは、消費税に関して税込1万円未満の課税仕入は適格請求書(または領収書など)の保存がなくても仕入税額控除が認められますので、当てはまる方は、これまで通りに、所得税を計算するための領収書などを保存(電子取引の場合はデータ保存)しておけばOKです。

2割特例=預かった消費税の2割を納めれば良い

さらにインボイス制度には、2026年9月30日までの期間において、基準期間(個⼈事業者はその年の前々年)の課税売上高が1,000万円以下であり、且つイインボイス制度を機に課税事業者になった場合のみ、2割特例があります。

インボイス制度2割特例に関しては、こちらの記事をご覧ください。
【インボイス制度】2割特例をわかりやすく!

この場合も消費税に関して、預かった消費税の2割を納めれば良いので、仕入額控除の計算をしなくても良いため、インボイス制度に対応した適格請求書(または領収書など)を保存する必要はありません。当てはまる方は、これまで通りに、所得税を計算するための領収書などを保存(電子取引の場合はデータ保存)しておけばOKです。

両方に当てはまる方は、今回のインボイス制度や電子帳簿保存法において、特別に保存するべき証憑書類はなくこれまで通りですが、どちらも特例なので期限があるため注意が必要です。

【電子帳簿保存法.2】インボイス制度との関係:まとめ

特例を作ってくれるのはいいのですが、期限付きであり条件が多く、電子帳簿保存法も相まって本当にややこしいですよね。インボイス制度と電子帳簿保存法の関係について、完全に把握できている人は少ないのではないでしょうか?

この記事は、+Colorsのお客様であるカラーアナリストやイメコンを想定しており、すべての人に当てはまるわけではないため、正確に知りたい方は、以下を確認お願いします。
国税庁:「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要」
国税庁:2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要

+Colorsでは、個人事業主や小規模事業者の方に役立つよう、このようなわかりにくい情報を、なるべくわかりやすく発信していきたいと思います。

 【課税事業者のお客様へ】インボイス領収書について

特例に当てはまらない課税事業者の方が、+Colorsの商品をご購入いただいた場合は、インボイスとして必要な記載事項に対応したPDF領収書を発行いたします。
また、電子帳簿保存法にも対応するため、インボイス対応領収書PDFデータをメールにてお送りいたします。

お手数ですが購入いただく際、フォームのオプションに備考欄がございますので「インボイス対応領収書PDF希望」と入力いただくか、お問い合わせフォームからご連絡ください。

記事執筆:株式会社プラスカラーズ / WEBデザイン・マーケティング担当 : 高木