【インボイス制度】2割特例をわかりやすく!

※この記事は、2023年9月時点の情報です。最新情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

いよいよ10月1日からインボイス制度がスタートします。
個人のお客さまが多数のカラーアナリストやイメコンは、免税事業者のままでもOKです。ただ、一部には企業から依頼を受けて診断をしたりイベントを行うなど、納税事業者との取引があるという方もいると思います。

インボイス制度では、インボイス発行事業者でない相手との取引の場合、消費税の仕入れ控除を受けられませんので、お客さまが自分が収めるべき消費税を負担することになり、迷惑がかかってしまう可能性があります。かといって、これまで消費税分の価格込みで売上としていた個人事業者は、インボイス制度により納税業者になることに、大きな負担を感じていると思います。

そこでこの記事では、インボイス発行事業者(=納税事業者)に登録するべきか迷っているカラーアナリストやイメコンの方に、インボイス制度の「2割特例」についてわかりやすくお話します。

インボイス制度がイマイチわからないという方は、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてください。
【インボイス制度】カラーアナリストやイメコンへの影響は?

インボイス制度 2割特例について

そもそも消費税は、事業者がいったん消費者から預かって、それを国に納めるというものです。免税業者であっても、消費税を請求しないと仕入れで支払った消費税を持ち出すことになるので、消費税を含め請求するのは当然の権利でした。

ただ通常であれば、売上に対する消費税から、仕入れの消費税分を引いた残りの消費税を納めるべきところ、これまでは納税義務が免除されていたので、差額分が所得に加算されていたわけです。これまで消費税分の価格込みで売上と考えていた方が多いと思うので、インボイス制度は大きな負担と感じてしまいますよね。

そこで、インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置として、3年間は仕入税額控除の金額を8割とみなすことができるインボイス制度の2割特例が制定されました。インボイス制度の2割特例が適用されるのは、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になる人のみが対象です。

2割特例の具体例

たとえば適用税率10%の場合、売上が税込300万円なら、2割特例の納税額は以下の計算式になります。

300万円×10/110×2割=5.5万円

3年間はインボイス制度の2割特例により、実際に経費で支払った消費税額に関わらず、2割を納税すれば良いことになります。
また実際には消費税の納付額分の所得が減少し、その結果所得税・住民税も減少しますので、全体で見ると更にインボイスの影響が縮小すると考えられます。

※参照:国税庁 2割特例 特設ページ (https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_2tokurei.htm)

特例期間後は簡易課税制度を利用

特例期間終了以降は、簡易課税制度という制度を利用しましょう。
簡易課税制度では、受け取った消費税額から支払った消費税額を差し引く計算をする代わりに、「受け取った消費税額×業種ごとの一定の割合(みなし仕入率)」で納付する消費税額とみなすことができるため、複雑な事務作業が不要です。

またデザイナーやプログラマー、コンサルタントなどの業種は事業区分が5種のサービス業で、仕入れが少ない割にみなし仕入率は5割とされており、2割特例に比べれば仕入率が減りますが、それでも簡易課税制度を利用したほうがかなりお得です。カラーアナリストやイメコンの場合も、だいたいの方は5種にあたると思います。

しかし診断やコンサルより、商品販売のほうが多いという人は、区分が変わります。複数の区分として分けて考えたほうが良い場合もあるので、複数の事業を展開している方は、専門家に相談したほうが良いでしょう。

また、簡易課税制度を使わない原則課税制度を選ぶ場合は、消費税控除を受けるために仕入れ先のインボイス登録番号を取得・管理する、仕入を課税売上に対応するもの・非課税売上に対応するものなどに分類して集計するなど、かなり手間がかかるので事務負担が大きくなります。

【インボイス制度】2割特例をわかりやすく!:まとめ

課税事業者との取引があるカラーアナリストやイメコンの皆さんは、インボイス発行事業者(=納税事業者)に登録するべきか迷っていると思いますが、お客さまや取引相手と長く良好な関係を築くためには、納税事業者になった上でインボイス制度の2割特例を利用する方法があります。
インボイス制度の2割特例は、3年間という期間限定ですが、その後も、私たちのようなサービス業にとってはお得な、簡易課税制度を使うことで乗り切っていけるのではないでしょうか。

もともと消費税は「消費者から預かって、自分が支払った消費税額を差し引いて納税する」ものなので、インボイス発行事業者になることで事業をもっと成長させていこうと割り切り、3年後までに1,000万円以上の売上を目標にするのも良いかもしれませんね。

この記事は、国税庁の情報を元に作成しました。
さらに詳しい情報を知りたい方は、以下のURL「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要」を確認してください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/01.htm

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記事執筆:株式会社プラスカラーズ / WEBデザイン・マーケティング担当 : 高木