物体色の明るさを表す「明度」
明度とは?
色相の分類を見ると、例えば同じ赤系でも、茶色とピンク色のように、明るい色と暗い色がありますね。このように色の明るさのことを「明度」といいます。これは有彩色だけでなく無彩色でも同じで、明るい灰色から暗い灰色まで明度が異なります。
明度を測るスケール
明度を測るには、基準となる明度スケール(グレイスケール)を使います。
明度スケールは、最も明度の高い白を一番上に置き、少しづつ順に明度を下げ、最も明度の低い黒までを並べたものです。
この明度スケールと比較して、同じ明るさを見つけることで、その色の明度を測ります。
物体色と光源色の明るさの違い
物体色と光源色では異なる単位を用います。
明るさは光の量(強さ)によって決まります。
物体の色は、光が物体に反射することで見えるため、光源からの光よりも強く(明るく)はなりません。このように、上限のある物体の明るさが明度です。光源からの光を完全に反射した場合は白、完全に吸収した場合は黒になるので、言いかえれば明度は白さや黒さの尺度と言えます。
一方、光源色の明るさは、光源からの光自体の明るさであるため、物体の色と違い上限がありません。そのため、明度(lightness)とは分けて「明るさ=brightness」や「輝度=luminance」など、別の言葉で表現します。
ただし、例えば同じ白い物体を直射日光の下と、日陰に置いた場合では、物体自体の明度が同じでも反射光が変わります。こういった場合は「輝度」を用います。
次回は、色の三属性「明度」について解説します。
記事監修:株式会社プラスカラーズ 代表 岩田亜紀子 / 色彩検定1級カラーコーディネーター
参考文献:色彩検定公式テキスト 2020年改訂版