ヒュートーンシステムを理解しよう

PCCSのヒュートーンシステム

トーン(色調)とは、色の三属性の中で、明度と彩度を組み合わせた色の概念です。

色彩調和を目的にしたシステム【PCCS】で解説したように、ヒュートーンシステムは色彩調和を目的にしたもので、Hue(ヒュー)と呼ぶ色相と、明度と彩度が似た色を集めて融合したTone(トーン)という2つの属性により色を表現しています。

ヒュートーンシステムの表記

※正式なPCCSトーン図は色彩検定公式テキスト3級に掲載されています。

上図は、ヒュートーンシステムを表すトーンマップ(トーン図)です。PCCSでは同じ印象やイメージを持つ明度・彩度の領域をトーン(色調)と呼び、色相毎に有彩色を12種類、無彩色はブラック(Bk)、ホワイト(W)を含め5段階に分類します。
各トーンのグループには、pail(ペール)、dark(ダーク)、vivid(ビビッド)など、それぞれのイメージを表す名称がつけられており、それぞれのグループに属する色を、ビビッドトーンを24、それ以外を12の代表色で表示します。

トーン記号

ヒュートーンシステムでは、三属性による表記ではなく、トーンの略記号と色相番号を使います。

色相環に記されている記号は色相を表し、例えば2:Rであれば、「v2」「lt2」のように2が付く色はすべて2:Rの色相になります。

ビビッドトーンの赤は「v2」ライトトーンの赤は「lt2」というように、トーンのイメージはアルファベット記号、色相は番号で表しますが、この表示を「トーン記号」といいます。

無彩色はホワイト(W)、ライトグレイ(ltGy)、ミディアムグレイ(mGy)、ダークグレイ(dkGy)、ブラック(Bk)の5種に分けられ、グレイはGy-8.5のように「Gy-明度の数値」で表します。

ビビッドトーンについて

色相環は純色で構成されているので、ビビッドトーンとなります。

ビビッドトーンだけが24色相で示されているのは、PCCSで配色演習に使う「新配色カード199a」に従ったものであるためです。また、「新配色カード199a」ではペールトーンとライトトーンについて、代表色よりも彩度の高い色なので+(プラス)の記号がつけられています。

純色・明清色・暗清色・中間色

有彩色のトーンは、

  • 明清色=ペール・ライト・ブライト
  • 純色=ビビッド
  • 明暗色=ディープ・ダーク・ダークグレイッシュ
  • 中間色=ライトグレイッシュ・ソフト・ストロング・ダル・グレイッシュ

に分けることができます。

ヒュートーンシステムを理解しよう

PCCSトーンマップは、色立体のような三次元だけではなく、二次元において三次元色空間を表現することが可能であり、多くの教材が用意されています。

ヒュートーンシステムを理解することは、色彩調和を考える上でとても重要。ぜひ身につけておきたい知識です。

次回は、トーンと、明度・彩度の関係について解説します。

記事監修:株式会社プラスカラーズ 代表 岩田亜紀子 / 色彩検定1級カラーコーディネーター
参考文献:色彩検定公式テキスト 2020年改訂版