光とは?電磁波の中で人が感じる波長

とは

光とは何でしょう?
光と色の関係を初めて明らかにしたニュートンは、「光の波長は色であるわけではなく、色とは感覚のひとつである。その色の感覚を引き出すのが光の力なのだ」と述べています。

色は、光・物・視覚の3つの要素があることで見えるものですが、光が色を見るためにどんな働きをするかについて、解説してきます。

光とは、「電磁波」の一種

光とは、電気と磁気のエネルギーが波となって空間を伝わる電磁波の一種です。

電磁波は、波の形(振幅と波長)で表すことができ、振幅は波の山の高さ、波長は山から山までの長さを指し、nm(ナノメートル)という単位で表します。このnmは10億分の1メートルにあたり、仮に1メートルを地球の直径とすると、1nmは1円玉の直径程に換算されますので、非常に小さい単位であることがわかります。

振幅と波長

電磁波には、波長が短いものから長いものまであり、この長さによって利用分野が分かれています。たとえば、波長の長いテレビやラジオに使われている電波、波長の短いレントゲン撮影に使われるX線など。

電磁波

人の眼が感じることができる波長を持つ「可視光線」

こういった様々な波長の中で、人の眼が感じることができる波長の範囲は、約380~780nm。この範囲の電磁波を可視光線といいます。電磁波全体の範囲に比べ、可視光線の領域はとても狭いですが、この範囲の波長をもった光だけが色として感じることができます。

物体に色がついているように見えるのは、この可視光線が物体に反射して眼に入るから。
エックス線やテレビやラジオの電波や紫外線、赤外線など、可視光線以外は人間の眼では感じことができず、見ることができないのです。

太陽光とスペクトル

太陽から放出される電磁波が太陽光ですが、波長により、赤外線、紫外線、可視光線に分けられます。
この中で太陽からの可視光は、様々な波長の異なる光が複数集まってできており(複合光)、昼間の太陽光はこの複数の波長がほぼ均等にバランスよく集まっているため、色みを感じさせない無色の白色光になります。

この光を三角柱のガラスでつくられたプリズムに通すと単一の波長の光(単色光)に分けることができ、鮮やかな色彩の光の帯が現れます。このように光を波長ごとに分けることを分光といいます。

スペクトル

光はプリズムに入るときに曲がり、出ていくときに再び曲がります。波長によってこの曲がる角度が異なり、波長が長いほど屈折率(曲がる角度)が小さく、短いほど屈折率が大きくなるため、この性質を利用して分光することができます。

この時、分光された光の帯をスペクトルといい、長波長側から赤→橙→黄→緑→青→藍→青紫の順に並んで見えます。
雨上がりの空に現れる7色の虹は、スペクトルの代表です。

光の波長=色ではない

前記事の「色とは?」で、「色とは光」ではないことを解説しましたが、「色=光の波長」というわけでもありません。冒頭で紹介したニュートンは、「色とは感覚のひとつである」と述べています。この「色の感覚」については、後々詳しく解説していきたいと思います。

次回は、光の分光について、もう少し詳しくお話ししていきます。

記事監修:株式会社プラスカラーズ 代表 岩田亜紀子 / 色彩検定1級カラーコーディネーター
参考文献:色彩検定公式テキスト 2020年改訂版