なぜ配色理論が必要?

色彩調和と配色理論

配色とは「2色以上の色を効果的に組み合わせること」。この配色を考える時に大切なのが調和感です。
人に好感を与える配色は「調和」、不快感を与える配色は「不調和」となりますが、基準があるわけでなく本来は主観的な価値感に基づくもの。しかし、好感を与える配色は多くの人に支持されるものであり客観性が要求されます。そのためには配色理論が必要です。

ゴッホやモネ、スーラなど偉大な画家たちも、センスに頼るだけでなく色彩理論・配色理論を基に作品を制作し、今も人々を魅了しています。また、自然科学者のルード、化学者のオストワルト、色彩学者ジャッドにより、様々な色彩調和論が研究・分析されています。

参照:色彩調和を目的にしたシステム【PCCS】

配色理論に基づいた色彩感覚

調和した配色をつくるには配色理論を学び、色を系統的に理解することが必要です。配色の善し悪しはセンスだけではありません。配色理論とともに、実際に配色を行い色彩感覚を磨きましょう。

例えば色彩検定の勉強をする場合、PCCSの配色演習用のカラーカードを使って「色相」または「トーン」のいづれかを手がかりにした配色理論を学習します。
色相を手がかりにした配色では、カラーダイヤルというトーン別の色相環を同心円状に組み合わせたものを、「トーン」を手がかりにした配色では、トーン図を使う方法があります。

PCCSカラーダイヤル

※色彩検定テキスト3級に付録。

色彩検定 公式テキスト 3級編 (2020年改訂版)

PCCSトーンマップ

PCCSトーン図

【配色理論を学習しよう】色相環とトーン区分図を使った配色演習

PCCSでは、配色理論を学ぶ際、「新配色カード199a」と色同士の色相やトーンの関係を把握できるように、色相環とトーン区分図に印を入れます。

色相の記入方法

①使用した色相は色相間の該当する位置に●を記入し、色相番号を入れます。さらに●と中心を線で結ぶと色相の関係が明確になります。

②ビビッドトーンの奇数番号の色相を使用したときには、色相間の○と○の中間の位置に●を記入します。※ビビッドトーンのみ24色相

③同じ色相の色を使用したいときには、色相環の●を記入した周囲を○で囲みます。

④無彩色を使った時は、色相環の図の中心に●を記入します。

トーンの記入方法

⑤使用したトーンは、トーン区分図の該当する位置を太い○にして、トーンの略記号を記入します。

⑥同じトーンの色を使ったときは、太い○にした周囲をさらに○で囲みます。

【配色理論を学習しよう】カラーダイヤルを使った配色演習

カラーダイヤルとは、トーン別の色相環を同心円状に組合わせたものです。
上記は、色相環とトーン図を使った配色の方法ですが、もうひとつ、配色理論を学ぶためにPCCSの考え方に基づいて工夫されたカラーダイヤルを利用して配色演習を行う方法があります。

次回から、具体的な配色理論を解説していきます。初回は「色相を手がかりにした配色」です。

記事監修:株式会社プラスカラーズ 代表 岩田亜紀子 / 色彩検定1級カラーコーディネーター
参考文献:色彩検定公式テキスト 2020年改訂版