グラデーションで動きや流れのある配色に
グラデーションとは
色を段階的にリズミカルに変化させながら配列した多色配色のことをグラデーションといいます。グラデーションを使うと配色に動きや流れを与えることができます。
グラデーションの作り方
グラデーションをつくるには、色相、明度、彩度、トーンを規則的に選択する必要があります。
カラーカードを使ったグラデーションでは、色と色の境界が明確で段階的になっていますが、スペクトルや虹、夕焼け空などに見られる色の境界がはっきりしない連続した色の変化もグラデーションと呼ばれます。
グラデーションで隣り合う色は、色相やトーンが近似した関係になるのですが、両端の色だけを見ると反対の要素を持つことがあります。このように、グラデーション配色では色の類似性と対照性が含まれ、統一と変化のバランスがよく調和しやすくなります。
ただし、明度だけが変化するグラデーションに彩度が違う色を加わると統一感がなくなり、連続した色とは感じられなくなります。
○明度が段階的に変化する
×彩度が違う色が加わる
また、グラデーションを構成する色を使っても順序がバラバラな場合は、連続性によるリズムが生まれないためグラデーションとはいいません。
○色相が段階的に変化する
×彩色相の順序がバラバラ
グラデーション:配色例
隣り合う色は色相環上で1〜3程度の色相差が適切。高彩度トーンのほうが効果的です。
トーンの区分図では縦の関係。無彩色による配色と有彩色による配色があります。
類似トーンの関係。純色と明清色、または純色と暗清色の配色が効果的です。
境界がはっきりしない色の変化もグラデーション。藍染のワンピースによく使われていますね。
グラデーションを使った配色の演習
色彩検定テキスト3級のトーン図を参考に、日本色研の「新配色カード199」を使って、グラデーションを使った配色を作ってみましょう。
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グラデーションで動きや流れのある配色に:まとめ
- グラデーションとは、色を段階的にリズミカルに変化させながら配列した多色配色
- グラデーションをつくるには、色相、明度、彩度、トーンを規則的に選択する
- 色の境界がはっきりしない連続した色の変化もグラデーションと呼ばれる
- グラデーション配色では色の類似性と対照性が含まれ、統一と変化のバランスがよく調和しやすい
記事監修:株式会社プラスカラーズ 代表 岩田亜紀子 / 色彩検定1級カラーコーディネーター
参考文献:色彩検定公式テキスト 2020年改訂版