ファッションカラーとスタイル&イメージ

ファッションカラーとスタイル&イメージ

ファッションカラーの分類

ベーシックカラー

ファッションの流行に関わらず、繰り返しよく使われる定番色をベーシックカラーといいます。
具体的には、白・グレイ・黒・紺・ベージュが基本になりますが、例えばカーキーを加える、グレイの濃淡を数色加えるなど、業種業界や分野において、それぞれ異なります。

基本のベーシックカラー

上記の紺・ベージュの色味は一例であり、例えばパーソナルカラーであればタイプによってベーシックカラーが異なります。

また、ベーシックカラーも、時代によってはトレンドカラーになる場合もあります。

トレンドカラー

時代や季節によって、美しい、新鮮に感じる色は変わります。ファッションには流行色やトレンドカラーがあり、日本では日本流行色協会(JAFCA)がトレンドカラーの情報を毎年発表しています。
トレンドカラーは新しくて斬新な色、流行色は流行っている色という違いがありますが、同じ意味で使われることもあります。

ファッションの分類

ファッションは、その年のトレンド毎に、新しいキーワードや用語が生まれては消えていきますが、中にはひとつのスタイルやイメージとして定着するものがあります。カルチャーから生まれるスタイルと、ファッションの分類で使われる基本的なイメージは、ファッションコーディネートの基礎知識となります。

スタイル

カルチャーやトレンドの中から数年かけて用語として定着したファッションをスタイルといいます。基礎知識として知っておくべき代表的なスタイルを紹介します。

国別スタイル

フレンチ

フレンチシック=フランス風の洗練された装いの総称。
フレンチカジュアル=ラフなコーディネート。

イタリアン

イタリアントラッド=正統派ファッションに遊び心を取り入れスタイル。
イタリアンカジュアル=地中海風の鮮やかな色使いや大胆なデザインが特徴。通称イタカジ。

アメリカン

アメリカンカジュアル=ワークウェアやスポーツウェアから派生したカジュアルな装い。
アメリカントラッド=欧州の伝統的なスタイルに合理性と機能性を加えた装い。 アイビールックはその一つ。

ブリティッシュ

ブリティッシュトラッド=タータンチェック柄、ツイードジャケットなど、イギリスの伝統が反映されたファッションスタイル。

ファッション史にみられるスタイル

60〜70年代のスタイル

範囲が幅広いので、レトロと言ったり、50’sクラシック、70’sレトロなどの名称で呼ばれています。
レトロをイメージするカラーは、くすんだ色調だけでなく、様々な色が使われます。レトロと対象的なスタイルとして、フューチャーやモダンなどがあります。

マーケット分類に使われるスタイル

ストリート

ファッション業界が生み出すスタイルではなく、若者たちが集まるストリートで自然発生的に生まれたのがストリートファッション。
カジュアルなスタイルが代表的ですが、音楽やカルチャーを反映し変化するので明確な定義はありません。モノトーン、ダークカラー、ベーシックカラーをベースに、ビビッドカラーを使うこともあります。
対照的なスタイルはハイファッションですが、デザイナーがストリート感覚を取り入れることもあります。

カジュアル

Tシャツ・スウェット・デニム・スニーカーなどベーシックなアイテムの組み合わせ。ノームコアが代表的です。キレカジ(きれいめカジュアル)、セレカジ(セレブカジュアル)、大人カジュアルなどのバリエーションがあります。
※ノームコア=トレンドに執着せず、あえて周囲の人と同じような「極めて普通」を選ぶファッション。

IT企業が台頭し、創業者がカジュアルスタイルを徹底したのをきっかけに、オフィスやライフスタイルの中にカジュアルファッションが定着しました。ベーシックカラーが使われます。
対照的なスタイルは、フォーマルやハイファッションなど。

イメージ

ファッションのイメージは、カラー・マテリアル・デザインで構成されたアイテムやファッショングッズの組み合わせで生まれます。イメージの分類方法はさまざまですが基本的な分類として、エレガント・ロマンチック・エスニック・スポーツ・マニッシュ・アーバン(ソフィスティケート)の6つがあります。これに、モダンとカントリーを加えた8分類が使われることもあります。

ファッションイメージは、明確に分類されるわけではありませんが、ポジショニングマップで対極・隣接関係を把握しておくと、判断がしやすくなります。

ポジショニングマップ

エレガント

柔らかく、上品で優雅な雰囲気をもつファッションイメージ。高級感も重要な要素になります。ライトグレイッシュトーンが、代表的なカラーです。

ロマンチック

装飾にフリルやリボンなどが使われた、可愛い・愛らしい・可憐なファッションイメージ。ペールトーン・ライトトーン・ブライトトーンなどが、代表的なカラーです。

エスニック

民族服をデザインソースにした素朴で土着的なファッションイメージ。料理のスパイスのようなカラーや、赤、黄、緑、黒、ナチュラルカラーなどが、多く使われます。

スポーツ

スポーツウェアなど、機能的なデザインを取り入れたファッションが持つ活動的なファッションイメージ。ビビッドカラーやコントラストのあるバイカラー配色(2色配色)など、またストリートスタイルではダークカラーを使ったものもあります。

マニッシュ

メンズスーツなど男性的なデザインアイテムを、女性が取り入れたファッションイメージ。ネイビーブルーなどのダークカラーが、代表的なカラーです。

アーバン

都会的で大人っぽいファッションイメージ。ソフィスティケートと表現する場合もあります。黒・紺・グレイ・ベージュなど、ベーシックカラーが代表的です。

ここで紹介した代表的なカラーは、あくまでカラーの持つイメージであり、実際にはさまざまな色が使われています。

記事監修:株式会社プラスカラーズ 代表 岩田亜紀子 / 色彩検定1級カラーコーディネーター
参考文献:色彩検定公式テキスト 2020年改訂版